メッセージ・プログラム概要

MESSAGE & PROGRAM OUTLINE

学府長からのメッセージ

「学問と社会の諸課題をつなぐ人材の育成」

プログラム責任者
地球社会統合科学府・学府長 大野正夫

あらためて言うまでも無く大学院は学問をするところである。九州大学大学院に入学された皆さんは主専攻の学府で自分の研究課題を定め、修士論文あるいは博士論文の執筆に向けて日々その研究に邁進していくことだろう。一方、副専攻型のプログラムである「未来共創リーダー育成プログラム」は、その教育目的に「学問と社会の諸課題をつなぐ役割を果たす人材(研究者や高度専門職業人)の育成」を掲げている。高度化し複雑化する現代においては、高度に専門的な知識を持った高度専門職業人の社会での活躍が期待される。また大学や研究所で学問をする研究者も、単に学問を極めるだけではなく、現実社会の課題と密接に結び付けて研究することが重要視される分野も増えてきている。大学院時代から現実社会に接し、「学問と社会の諸課題をつなぐ」経験を積んでおくことは、大学院修了後に研究者あるいは高度専門職業人のどちらを目指す場合でも大いに役立つものと思われる。
このプログラムに参加することでさらに多くのメリットがある。主専攻での自分の専門の研究に加えて副専攻で異なる課題に取り組むことで、主専攻の研究の幅が広がり深みが増すことが期待できる。またこのプログラムでは学生・教員が地方の自治体を訪ねて協力して課題に取り組むような授業も行われるが、全く異なる専門分野の学生がそれぞれの専門を背景に協力して行う議論は、刺激的で多くの気づきを生むだろう。さらに他学府の教員・学生とのつながりは、将来それ自体が大きな財産になる。なお学外で行う実習の旅費や、プログラム生が調査を行うための費用の支援もあること、主専攻に加え副専攻を履修することで過度の負担にならないようカリキュラムに配慮していることも申し添えておく。
本プログラムのメニューを通じて現実社会に接し、「学問と社会の諸課題をつなぐ」修了生が多く巣立つことを期待する。

このプログラムに参加することでさらに多くのメリットがある。主専攻での自分の専門の研究に加えて副専攻で異なる課題に取り組むことで、主専攻の研究の幅が広がり深みが増すことが期待できる。またこのプログラムでは学生・教員が地方の自治体を訪ねて協力して課題に取り組むような授業も行われるが、全く異なる専門分野の学生がそれぞれの専門を背景に協力して行う議論は、刺激的で多くの気づきを生むだろう。さらに他学府の教員・学生とのつながりは、将来それ自体が大きな財産になる。なお学外で行う実習の旅費や、プログラム生が調査を行うための費用の支援もあること、主専攻に加え副専攻を履修することで過度の負担にならないようカリキュラムに配慮していることも申し添えておく。

本プログラムのメニューを通じて現実社会に接し、「学問と社会の諸課題をつなぐ」修了生が多く巣立つことを期待する。

プログラムリーダーからのメッセージ

「フィールドワークの勧め」

プログラムリーダー
地球社会統合科学府・教授 荒谷邦雄

学問と現実的な課題解決をつなぐ未来共創リーダー育成プログラムではフールドワークを推奨しています。 フィールドワークとは実際の現場に出向いて、あるテーマに関して、歩いて、見聞きして、調べて、まとめる一連の作業です。実際にその現場に行ってみると様々な発見があり、想像もできなかったことが見えてくることも多いものです。

大規模気候変動、頻発する大規模災害、生物多様性の減少、民族対立、テロ、世界規模の感染症…… われわれは今、地球規模・人類規模の課題に直面しています。 こうした課題には、従来の大学や大学院教育が重視してきた個別の学問や、課題に対して、短期的・技術的な解決を志向するだけでは解決できません。 課題に対して、長期的な視野から、様々な方法論を組み合わせてアプローチしていく態度やもの考え方を身に付ける必要があります。

具体的な解決の手掛かりは机上ではなく現場にあります。 現場に出て、地域の特性や歴史的な経緯も考慮しながら、あるべき未来の姿を模索し、統合的に考えていくこと。解決への道筋は、フィールドワークでのそうしたねばり強い作業にこそあります。

しかし、その一方で、フィールドワークには様々なリスクもつきまといます。なかなか成果が上がらない、思ったような結果が出ない、などというのは序の口で、天候や災害、社会情勢などの外的要因で調査すらままならない場合も多々ありますし、時には命の危険に曝されることさえあります。だからこそ、そうした苦労の末に手に入れた成果は何ものにも代え難い宝となります。

油断は厳禁ですが、折角のフィールドワークを楽しみましよう。難しい理屈は抜きにして、初めて訪れた土地の自然や生き物、人や文化の中に、ただぼーっと身を置くだけで、これまでの日常とは違った何かが感じられてくるはずです。皆さんも本プログラムに参加して、自分だけのフィールドワークにぜひ挑戦してみましょう!

プログラム概要

プログラムページイメージ写真

東日本大震災をはじめとする災害、SARS や新型コロナウィルスなどの感染症の流行、AI 等の科学技術進歩による社会の変化、中国等の新興国の台頭による政治・経済秩序の変化等、21世紀に入ってからも人類はさまざまな課題に直面しています。これらの諸課題の解決に、学術と人材育成の面から応えることが、今まさに大学に求められています。そのためには、専門の枠組みを超えて、現実世界が直面している課題によりそくした研究や人材育成のモデルを構築し、大学の学知がより直接的に社会に貢献できるようにすることが重要です。
この要請に応えるべく、<課題解決のための方策の立案・実施・評価の科学的支援>を趣旨とする本プログラムが整備されました。高度に幅広い専門性から未来社会を構想し、オールラウンドな協働課題解決と決断、政策の立案・設計にあたることができる研究者および高度専門職業人を養成します。 カリキュラムは多様な学府から提供される科目からなり、所定の単位を修得したプログラム修了者には、修了証明が交付されます。

修士課程から博士後期課程までの最長5年間の副専攻型のプログラムとして、プログラム学生は、自身の専門(所属学府)を足場にしつつ、複数の専門分野にまたがる複合的な現実問題を解決するための実践的な課題探求を行います。

協働課題解決やフィールドワーク、政策の分析・策定に関する一般的な訓練を積むとともに、研究課題に応じて多様な分野の教員から指導を得ることで、課題を効果的に探求します。 研究課題を進めるうえで必要となる専門分野の観点を知る手がかりとして、3つのアジェンダ「地域共生」、「危機管理」、「文化・健康」を大枠とし、それぞれに中領域的な「課題領域」が配置されています。
複数の「課題領域」、そして複数のアジェンダ(専門分野)にまたがる課題研究を行うことが推奨されます。